教科書や図だけでは伝わりにくい脊椎動物の体のつくりを、カエルの解剖を題材として実物に即して学ぶ研修です。解剖では、臓器の位置や形だけでなく、色、硬さ、質感、さらには個体差まで実感することができ、紙面上の学習とは異なる深い理解につながります。こうした体験は、子どもたちにとって驚きや感動を伴う学びとなり、生物への興味・関心を広げるきっかけにもなります。
中学校理科では「動物の体のつくりとはたらき」が学習内容として位置づけられており、教員自身が実物に基づいて理解を深めることは、授業での説明や観察指導を充実させるうえでも意義があります。学校で実際に解剖を行う場合だけでなく、授業づくりや教材研究に役立つ内容です。
一方で、解剖を授業に取り入れる際には、限られた時間の中でどこをどのように見せるか、安全面にどう配慮するか、教材生物や器具をどう準備するかなど、実施に向けて検討すべき点も少なくありません。また、麻酔法についても工夫が必要です。従来用いられてきたクロロホルムやジエチルエーテルは取り扱いに注意を要し、ドラフトチャンバー等の設備も必要となります。さらに、教材として知られるウシガエルは観察しやすい反面、特定外来生物であるため、学校現場で扱うには手続きや管理の面で負担があります。
そこで本研修では、比較的入手しやすく安価なアフリカツメガエルを題材とし、ベンゾカインを用いた新たな麻酔法で、短時間でも学びの多い解剖・観察の進め方を紹介します。
脊椎動物の体のつくりとはたらきについて理解を深め、カエルの観察・解剖を通して、実物から学ぶ意義や観察・解剖の基本的な方法を身に付けます。また、教科書や模式図では得にくい色、硬さ、質感、個体差を実感し、授業に生かすための視点を養います。